
当社では、社内システムの基盤として 一部AWS(Amazon Web Services)を利用しています。簡単ですが、改めて現状の構成とコスト最適化の取り組みをご紹介します。
現在の構成:EC2 3台+RDS 3台
当社のシステムは、主に以下の構成で運用しています。
- EC2(仮想サーバ)を3台利用
- 社内向けファイルサーバ
- Mattermost(チャットツール)用サーバ
- VPNサーバ
- RDS(マネージドDB)を3台利用
- 業務システム用データベース
- 開発・検証用データベース
AWSのBACKUP機能を使って数時間おきにバックアップを取っていますので、可用性よりもどちらかというと運用負荷・コストを重視して冗長化は最小限にして、それぞれは必要十分なスペックで構成しています
Mattermost用のサーバは、社員数の増加や利用頻度により徐々にスケールアップしています。
コスト圧縮のための 3つの施策
クラウドの利点は「使った分だけ支払う」ことですが、何も考えずに使うとコストが膨らみます。当社では、以下の3つの施策でランニングコストの圧縮に取り組んでいます。
1. RDSは EventBridge スケジュールで平日日中のみ起動
2台ある RDS のうち、業務時間帯のみ利用するものについては、平日の日中帯だけ起動する運用にしています。
- 実施内容
- AWS EventBridge のスケジュール機能で以下を自動実行
- 平日朝:
StartDBInstance - 平日夜:
StopDBInstance
- 平日朝:
- AWS EventBridge のスケジュール機能で以下を自動実行
これにより、夜間・休日の不要な稼働を削減し、RDSインスタンスの起動時間に応じてコストを抑制しています。
さらに開発用のDBですぐ利用しないものについては、週単位で15分だけ起動するようにしています。AWSの仕様で1週間以上起動していないものは、勝手に起動してしまうためです。
2. VPN 用の EC2 はリザーブドインスタンスで
社内チャットツールである VPN 用の EC2 インスタンスは、基本的に24時間365日稼働させる必要があります。このように「長期間・安定して使い続ける」サーバについては、リザーブドインスタンス(RI)を適用しています。
- 理由
- 利用期間とインスタンスファミリーがほぼ固定
- 長期利用が確実なため、RIによる割引メリットが大きい
結果として、この1台についてはオンデマンド料金よりも大幅なコスト削減ができています。
3. それ以外のEC2・RDSには Saving Plans を適用
VPN 用以外の EC2 については、利用状況が変動する可能性があります。そこで、インスタンス個別ではなく、一定額のコンピューティング利用をまとめて割引できる「Saving Plans」を採用しています。
- メリット
- インスタンスタイプやリージョンを変更しても割引が有効
- 将来の構成変更に柔軟に対応しつつ、コストも抑えられる
毎月の平均利用量をもとに、無理のない範囲で Saving Plans を購入し、変化に強い形で割引を享受しています。
まとめ
当社では、AWSを単に「便利だから使う」のではなく、システム構成と利用パターンを分析したうえで、料金体系を踏まえた最適化に取り組んでいます。
- RDS は EventBridge で平日日中のみ起動
- 常時稼働が必要なEC2 はリザーブドインスタンス
- それ以外は Saving Plans で柔軟性と割引を両立
今後も、負荷状況や業務要件の変化に応じて構成を見直しつつ、安定運用とコスト効率の両立を図っていこうと思っています。
